学名に慣れよう



クワガタを飼育していて次々に違う種類が欲しくなる♪ 皆そうでしょうね

さまざまな種類が輸入解禁になって 、さまざまなショップに様々なクワガタが並んでいる昨今・・
また実際にショップにいけなくてもネットショップにアクセスすればホント色々入荷してます
人気のある外国産オオクワガタをはじめヒラタクワガタの仲間の「黒虫」といわれる仲間
ニジイロクワガタやメタリフェルホソアカクワガタ、種々の鮮やかな色をもつツヤクワガタやノコギリクワガタに代表される色虫(彩虫)など・・

飼ってみたい種が増えると当然自分が種類を知っておく必要があります
最近は学名に〜クワガタとつけることでクワガタの名前を呼称することが多いですが・・

昔呼ばれていた和名表記で書かれることもあり、初心者の方は混乱することがあろうかと思います

このコーナーでは全世界の共通の種名である「学名」について「ぺいぺいブリーダー」の素人judgeが説明したいと思います

では・・・・・

そもさん @ 学名とはなんぞや?
せっぱ  学名とは・・1種類の生き物の名前に全世界で共通の名称をつけて整理するための「名前である」
そもさん A どんな名前なのか? 
せっぱ  
スウェーデンのリンネという人が考えた分類命名法であり、学名は最初の「属名」 その後の「種名」(正式には種小名?)の2つであらわされる。
このことから「二名式命名法」と呼ばれる 
このことは私は中学理科で習った記憶があるので皆さんもご存知の方も多いだろう
因みに学名は属名と種小名からなるが、
実際には界→門→綱→目→科→属→種と分けられて分類されているうち細かい最後の分類を二つ並べたものといえる  
クワガタでいえば動物界-節足動物門-昆虫綱-鞘翅目-クワガタムシ科ー〜〜属-〜〜となるのである
そもさん B 例をあげて説明せよ
せっぱ   
例えばミカドオオキバクワガタ、ミカドホソキバクワガタ、コウテイホソアカクワガタ、インペラトールホソアカクワガタなどと云われる種類を例にあげると・・
学名------Cyclommathus imperator Boileau,1905となる

ここでCyclommathusが属名  imperatorが種小名である  なお後ろに続くBoileau,1905は1905にBoileauという人が命名しましたよということである
またここで学名の属名・種小名は斜体・イタリックで表記される 命名者はイタリックでは表記しない
ちなみに説明のために色を変えてるんであって 一々学名を色分けして表記するわけではないよ・・念のため・・・
そもさん C どうやって読むの? そもそも何語?
せっぱ  
ラテン語である 現在公用語になってる国も日常会話に使ってる国もないであろう
しかし知的な人だから操ることが出来る「古語」が一種ステイタスだったらしく 学問には しばしばラテン語が登場する
例えば生薬の分類にもラテン名が使われているし、
現在でも 処方箋の指示や用法、カルテの記載に使うこともあり、それを用いては記入することは有効である

Cyclommathus imperator の場合 「キクロマトゥス インペラトール」と発音する しかし・・

アメリカのスポーツ用品メーカー 「Nike」・・これをみなさんどう読むだろうか? まず「ナイキ」と読むだろう・・
しかし「ニケ」と呼んでもいいのである もともとはギリシア神話の12神の1人アテナの従神「ニケ」なのだから 因みにこのニケは「勝利の女神」である
美術史などで「サモトラケのニケ」を習った方も多いだろう

同じ文字でも それぞれの言語圏の発音の違いで読み方が異なるのである
 ウチの大学の教授などはウイルス「VIRUS」のことをヴィールス、ウイルスではなく「バイラス」と発音していた 

話が逸れたが キクロマトゥスはサイクロマトスなどと発音することもあり 各国でずいぶん異なると思う  
そもさん D もうちょっと詳しく
せっぱ
属名はそれぞれの種の特徴のラテン語から取られていることが多い また種名は命名の家族や関係者、発見場所などに因んでつけられることが多い
(命名者が自分の名前を付けることは少ないらしいが・)
例えば昆虫学者ウォーレスに因んでなずけられたウォーレスノコギリクワガタはProsopocoilus wallacei と下記
そのまま読むと プロソポコイルス ウォーレシィ
wallace(ウォーレス)に語尾変化のiがついてwallacei になっているのである
(wallacei はwal la ce i  ワル ラ セ イと発音上分けるので ウォーレシではなくがワラッセイと読む人もいるらしいが・・
(発音上LL部分が詰まるので「ッラセイ」となる ガゼラツヤクワガタも ガゼルラやガゼッラとも読める・・)
「wallace」が人名であることを知らない場合はそのまま読むのでそうなるよね・・


なぜ「i」が付くのか?それはウォーレスが男性名であるからである なぜ?といわれても困るが・・
そういう決まりなんである 女性名であって場合は「ae」がつく

種名のスペルから和名をつけると「ウォーレシノコギリクワガタ」になるが、
発音上は語尾変化の「i」を除いてもともとの名前の発音から「ウォーレス」ノコギリクワガタということが多いのである

オウゴンオニクワガタのマレー半島産のモセリオウゴンオニクワガタも モセルと読んでもいいだろう

黒虫好きには たまらない 「hopei -ホペイ」 これもホペイ、ホープ、ホーピィなどと言われるが・・いずれも同じものである
そのまま学名を読めばドルクス ホペイであるが 献名された人名がホープ Hope氏なのでホープオオクワガタとかといってもいいかもしれない

現在は Dorcus hopei  を「i」を含めて発音してホペイと呼称したり、
Prosopocoilus fabricei は「i」を発音せずにファブリースと呼称されたりしており
「 i 」を付けた発音で種名表記されているのはまちまちである

混乱するかも知れないが現在クワガタのショップやネットで表記される日本の呼称は日本だけで通用する「和名」なので
学名に「i」を付けて発音しようがしまいが構わない (和名としては)
 要はその「和名」が広く使われて その「種を指す和名」として認知されればいいような気がする
ただ「学問上」はちゃんと表記しないと駄目でしょうけど・・


また産地による命名では「〜ensis」がつけられる
例えば今私が飼育しているタイ産パハンホソアカクワガタ Cyclommathus pahangensis chaingmaiensis
キクロマトス パハンゲンシス チェンマイングエンシスと読める

パハン州に因んでつけられているのでpahang + ensis でpahangensis、
そしてチェンマイから得られた個体をもとに記載された亜種なのでchaingmai + ensis でchaingmaiensisとなっている
pahang  はパハン  chaing はチェンマイなのでパハンエンシス あるいはパハンと呼ばれる

なんで「g」があるのに 「グ」とならないか? まあ・・香港 ホンコンはhongkongと表記するのと同じと思いねえ・・


ほかにもセネガルユミツノクワガタも Prosopocoilus senegalensis と表記され 
セネガルsenegal に産することにちなんで senegalensis となっている

これらもエンシス部分は省いてパハンホソアカクワガタ セネガルノコギリクワガタと和名表記・呼称されている

そして種小名が〜usで終わっていれば前の属名が「男性」 〜aで終わっていれば属名が「女性」なのである
英語しか習ってない方はなんのこっちゃ?と思うかもしれないが ドイツ語を習った方はわかるだろう
名詞などに男性、女性、複数形、中性になどの区別があるのである 
英語では「a」が母音から始まる単語の際に「an」に変化したり theが 母音から始まる単語につくと読み方が変わる(ジエンドとかね)位だが・・

ドイツ語は定冠詞のdas(英語で言えばtheね)がかかる名詞の性とその格により全部で16個に変化するのである
(別に16個も読み方があるわけではないが・・)
 とにかく何でまたこんなに変化するの?って思うね これに比べたら英語の表記は簡単だわ・・(でも英語使えない)

そして学名については ほかに「シノニム」と云うものがある
意味は異名あるいは「同物異名」  平たく云うと「同じ種だが違う名前」ってことらしい

例では
イグジミウスホソアカクワガタ  Cyclommathus eximius Mollenkamp,1909で・・

今のところ他に C.finschi Nagel,1932 C.tittoni Lacroix.,1983 C.spineus Didier,1930 の3種が違う学名がついた同種(シノニム)とされる
研究・整理によって同種だが違う学名があることになってしまう

ここで同じ種に4つの学名があるわけだが 学名が一番古くつけられた(1909ね) eximiusが優先されている
(と思う・・この辺は不勉強なので確実なことはいえない 各人で勉強してね)

クワガタは同じ種での変異が大きく いずれ結構な数が実はシノニムだったってことが多くなるんじゃないだろうか?
ネブトなんて多そうだ

脱線したが・・一見読みづらいので学名を見る人は少ないだろうが 1種に複数の和名がついてることもあるので
学名をちょっと気にかけてると参考になるかな?ってためのコーナーでした


国際動物命名規約提要

国際動物命名規約

国際動物命名規約―国際生物科学連合
などの書もあるので興味がある方は勉強してみては?