ニジイロクワガタ飼育記

飼育前  2000時点での情報

名称 学名Phalacrognathus muelleri ファラグロクナトゥス ミュラーイ、ニジイロクワガタ 通称ニジイロで呼ばれる

生態 大きさ オーストラリア 北東部州 クイーンズランド パプアニューギニアに生息 70o程度のものも採集されているがブリードではそこまで大きい物は出ていないようだ かなり湿った材の根部から幼虫が得られるらしい 一年弱で成虫になる
当地での数は大部少ないらしい (生態が判明してないので採集数が少ないかも?)
パプキンに比べて長生きで6〜12ヶ月 3年以上も生きる個体もあるらしいがまぁ一年程度と言われることが多いようだ

特記事項 文字通りニジイロに輝く すばらしい色彩のクワガタ 「世界一美しいクワガタ」と表されるのも頷ける
1属1種のモノタイプだがパプキン(パプアキンイロクワガタ)と非常に近い種であることは一目瞭然である
パプキンともども幼虫の尻が細い体型、蛹の奇妙な形と羽化などその色彩以外にもかなり興味深いクワガタである
なおその色彩には変異がありブラックタイプ(外国産カブトムシクワガタ飼育図鑑の記載)のほかブルー?もあるらしい(海外の標本採集家のタローニ氏の写真集に載ってるらしいが未確認)

入荷状況 当初はかなり高価だったが多産ということもあり徐々に安価になってきているがそれでも高い虫でサイズにも拠るがペア¥20000は下らない成虫で購入するより幼虫から飼育するほうが安上がりである
オーストラリアから輸入されているが当地の標本商が飼育した累代品であるらしい 稀に許可を得たワイルドが入ってきているらしいかおそらく売り物ではなく親虫として使われているはずである
またクイーンズランド州からきていることは分かるがその更にどこから採れたものか分かっているものは稀 養殖モノの輸入のせい?
ニューギニア産は見たことがない(標本でほとんどないらしい)

飼育本から
webから
ドイツ人の標本家が朽木のマットで幼虫が飼育できることを発見して養殖が始まったそうだが、もっと以前から輸入解禁になっていれば日本人がバンバン養殖していたことであろう
マット、柔軟材の両方に産卵しかなり多産らしく 幼虫飼育も容易いらしい なお菌糸瓶が有効であることはよく知られている



成虫飼育編

2000/11月某ショップより小型の新成虫を購入 カップリングは新成虫ということもあり羽化後三ヶ月経つ1月中旬から行うよう付されていた
届いた当初潜って全く姿を見せず摂餌もしなかったが1/8にマットの上を這いまわっているのを確認しいつも使っている
宮下商会のゼリーを与えて本格的に飼育に入る

セット
飼育容器 柔らかめの材を多数入れようと思いプラケース特大を使用
マットはドルクスショップUndoの埋め込みマットを使用
材は三枝椎茸園のローゼン対応材の余りを使用した
マットを三センチくらい固めて敷いた上に材を横向きに6本ほど並べてマットを被せ!堅めに押して詰め転倒防止の木の皮とゼリーを置いて出来上がり


飼育状況
書籍やその体色を見る限り明らかに日中活動性なのだが昼間に覗いても活動していることは少なくマットに潜ったままであることが多かった
夕方〜夜八時ごろにゼリーの容器に頭を突っ込んで食事をしていることが多く その際によく交尾をしていた

飛翔性はよく分からないがパプキンのように
高くはないようだが 7月にはいって外気温で
飼育していると羽ばたいているところを
確認している
ひっくり返してもがいていると羽を広げて
元に戻ることがある
多産と言う情報だったので期待をしつつ1/25にセットを暴く・・
結果は惨敗・・全ての材に穿孔していたが全く産卵しておらずマット内にもなかった
かなりマットが変色しており劣化していたのでそのせいだと思う マットを入れ替えて材を埋め戻してもう一度試してみる
5/3 ♀が全く姿を現さないので嫌な予感を覚えてセットをあける・・案の定死んでおり粉々に成っていたので標本にも残せなかった
1/25と同様まったく産卵しておらずボウズのままカップリング飼育を終える
7/21現在♂を小ケースで飼育しているが気温36℃にもなるガレージの中でも逞しく生存している

幼虫飼育編

一回目の確認で卵がえられなかったがどうしても「アノ」蛹の形状を見たいためクワスタさんから
5頭セットの幼虫を購入
すべて1齢の養殖品である 1齢のうちから特徴的な尻細はよく分かるニジイロは菌糸瓶飼育が
有効と記載されている物が多いので某ショップから購入した菌糸瓶に投入して様子見る
しばらく温室に入れて管理していたが3月以降は屋外に出して外気温で管理する
ところが先日2001/7/19に確認すると菌糸瓶が劣化して腐って縮んでおり行き場を失った幼虫が
腐ったオガの上を這いまわっていた
慌ててマット飼育に切り替えたが・・ めちゃくちゃ縮んでいる・・生きているだけでも儲け物か




とりあえず400mlの瓶に入れて様子を見ているが・・どうなるか・・


8/30に前蛹になっている事を確認! なんかかなりデカイ蛹室で斜めである
そして蛹化・・蛹室の割には小さい・・ 他のクワガタと違って体の厚みがある種のため かなり大きい幼虫でないと期待できないようだ・・
原歯形の蛹である

そして9/20現在♀の蛹化が迫っている 無事羽化してくれるといいが・・

2001/10/10に♂が羽化
予想とおり短歯形であった・
・しかしニジイロでありながら赤、アゴは
後から整形するので白く柔らかいまま・・・
タマムシは後羽は同じように白いが全胸部は
羽化時から「玉虫色」なのだが・・
ニジイロは後から色がつくようだ
2001/10/16 他の様子を見てみましょう

容器が小さい所為か 蛹室がやたら斜めになっている こんなことは普通は余りないようだ
♀の蛹である
♂の原歯系との区別が難しいが
交尾器が違うのでわかる
♂は輸精管がらせん状に形作られているので
すぐにわかる

前蛹時期が結構長く不安にさせる
 しかしこれで♂1♀2である
カップリングは問題ないあろう 
年末に全ての個体が雨下した といっても5頭のウチの4頭のみだが・・成虫飼育もしょっぱかったが幼虫飼育も情けない・・
内訳は2♂2♀としイイ感じで分かれた・・
といってもすぐにカップリング
できるわけではない
前回の成虫飼育はカップリングの時期を
誤ったこととマットの劣化のために
採卵できなかったと思っている
ここはじっくり構える・・
200mlカップに入れたまま後食を待つ・・
年が明けてもそのままに・・・しかし1月末からガンガン暴れだす  羽化してから3ヶ月程度も経つ
そして狭いながらゼリーの容器を半分にしたものにゼリーを分けて与える

これがまたオニのように食いつき すぐになくなる  昨年の飼育ではこれほど減らなかった 結構・・というかかなりの大食漢である

そして体の割に足が長く・・そして爪が強力!! つかまれると痛く そしてはがすのに苦労する
2002/1/26の撮影
改めてみると 頭小さいし
とても「クワガタ」って感じがしないな
メスもアゴは斜め上向き 材に野外では
穿孔して産むそうだが 材を齧りやすいのか?
♀の翅の表面は金属に針で突いて模様を
つけたみたいだ
2002/3に入ってからカップの蓋をこじ開け、温室低部に転げ落ちることが出始めて
1ペアをカップリングすることにする
しかし温室に空間がないのでコンテナQ-BOXの小に入れた

相変わらずゼリーは即 完食・・元気なのはいいが・・・
それから2週間に1度の割合でセットを確認するが・・・予想とおり産卵は確認できない・・
体長はともかく 体の厚みがある本種はやはり大ケースが必要なのであると思う
穿孔産卵型の種ということだが この種が穿孔するにはそれなりに大径の材が必要になる
それだけの材を手に入れるのもセットするのもなんなのでパプキンのようにマットを硬く詰めて軟材と錯覚させる必要があるわけだが・・
それにしてもせめて中ケースが必要か・・
そして2002/04.19本日 中ケースに添加剤発酵マットを詰めて残る1ペアをセットする
ほんとは屋外に置いても問題がないであろう5月に入ってから行うはずだったが・・・
♂♀ともに「毎日」カップから逃げて温室に転げ落ちるので・・
中ケースにいれて材の樹皮を転倒防止に・・
♀の上に♂を乗っけてみるとあっけなく ペアリングを始める ・・
しばし様子を見ていたが・・長い!!
振動を与えると♂は交尾器を引っ込めるが♀は離さない

1時間たって見るとまた交尾をしている ずっ〜〜〜としていたのか?
あんまり長いようだと産卵用に♂はどけておく必要があるのかも・・
以降 採卵を待つのだが 2002.04.20から外気温で飼育をすることにする

以後 外気温でずっと飼育 産卵しているならいずれ孵化してマット内に幼虫が見えるだろうと
とにかくゼリーを切らさずに入れていく
しかしながら夏になっても卵も幼虫もみえず、環境を変えようにもクーラーもないので涼しい場所に替えることもできない

結局 屋外から温室に切り替える2002/10になるまで屋外においていたが一切 幼虫は確認できなかった

温室に入れる前 2002/10/14に材をいれた中プラケースセットを暴いてみたが
一見すると産んでいそう・・ 切断面には穿孔痕 割ってみると♀がいてまだ生きている
穿孔してるので坑道内に卵があるのかと
思ったら全くなし・・
もういい加減こんな結果には慣れた・・ 一般にはマットを堅く詰めれば簡単に数十個得られるといわれているのに何がだめなのか?
このあと小径の材だと穿孔しても産まないのかと思ったが大径の材がないのでマットのみの飼育とする
下から上までガッチガチに詰めてみた
そのあと温室に入れて管理、 一ヶ月後の2002/12/12に確認
こんな感じで堅く詰めたマットにもいい感じで
もぐっていても卵はなし・・
何がダメなのか?
ノコギリやパプキンも普通に産むマットなのに!
♂も♀もいまだ 元気なのはいいけど・・
産めよ・・
♂も符節が一本採れてだんだんボロくなる・
年末までにはなんとか増えてほしいが・・
このあと♀が死ぬまで産卵セットを替えることはなかったがボウズのまま終了


なおこの♂については2001/10/10に羽化を確認してから2003/5/15まで生きていた
活動開始まで1-2ヶ月程度と考えても活動から一年半以上も活動していた

飼育を始めた当初の飼育本では「3年以上も生きる個体もある」というのを本で読んで本当か?と
思っていたが少なくても一年くらいは十分生きるかも?
2002の年末になっても採卵できなかったので あきらめ・・・

でも大歯形は羽化させてみたい・・ なので山崎オオクワで売りに出ていた累代幼虫を購入
これは現地養殖個体でなく カランダというところのワイルド個体からの累代個体だそうだ つまり業界用語でWF1ってことになる

以前からその幼虫が売りにでていたが 成虫のセットを2つ組んでいるしどっちかで採卵できると思っていたので買わなかったのだが・

必要になって買いにいったらとき既に遅し・・もう4頭だけしか残ってないとのこと・・
偏りが心配だがとりあえず 4頭だけを飼育することに

飼育はガラス広口瓶600mlを使用し、バクテミックスを使って飼育
途中に一度 マットを入れ替えて 2004/1に羽化
2004/1/3

瓶上部で羽化していた♂

しばらく置いて2003/1/29の様子
う〜〜ん 少しは色彩が変わったのが
出て欲しいがフツー・・

そこそこ大きい幼虫だったので
期待していたが体格は十分だがアゴが伸びない
できれば羽化後に足でアゴを伸ばすところを
観察したかった
4頭とも無事に羽化したのだが 実際にカップリングをしたのは夏になってから
後食はもっと早くに開始してたが 焦ってカップリングするほど寿命は短くはないのでのんびり構える

しかし・・・またも2001/2002の飼育と同様に丈夫に生きていはいるのだが 一ヶ月に一回の割り出しをしていっても卵や幼虫はない・ 何故?

発酵した上質のマットを使えば 簡単に産むんじゃないのか?

以後 細い軟材などを埋め込んで堅めにマットを詰めたりとかいくつか試したが全く得られなかった

なので今回もあきらめ マットをテキトーに詰めてテキトーに飼育

2004にタランドスのセットに際して初めてカワラ材を使って飼育を行ったが 購入した材は2本だったのだが
タランドスの産卵セットに入らなかった(堅かったこともあるが・)ため 放置したまま乾燥していた材を
多めに水分を加えたマットに完全に埋め込んでセット しかしすでにもう2004の暮れで後食を開始してから10ヶ月も経つ
なのでこの材埋め込みセットも「産まそう」というよりは 「野外で大木に穿孔して産む」というのを見た気がするので
とりあえず大きな材を入れておくか・ってなもんで・

なので期待もしてなかったんで最初の大目の加水から一度も霧吹きしないまま年が明けて2005/1/3
例年通り正月最後の休みはクワガタの確認だ

←もう乾燥してマットがさらさら・・
埋め込んだ材の端が少し表面に出ているが
材にもぐってその屑がでている・・ということは
ないようだ
ゼリーは完食しているけどね

一応裏返してみると・・

あれ?これって幼虫?

3度目にしてやっと成功か?
ケース底に見えていたのは2齢幼虫
マット内にはこの1頭しかいなかった・・
期待はずれ?
材を二つに割ってみたが1齢や2齢もいたのだが
写っているものだけ・・・
マット内には先に確認した2齢だけだが
マットと材の接着面に 材を齧って細かくした
ところにいくつかの卵を確認できた
既に♂はおらず、♀一頭だけだが符節も取れてダルマに近い・・
更なる個体の追加を目指して もう一度セットしてみたが ♀の状態から期待はできない

ところでこの♀は少し黒ずんでいえる個体
これだけでなく これまでもくすんだ感じの個体は羽化してきたが決まって翅にシワが出来てたことと
冬場に羽化を迎えたことで飼育温度が低くなってしまい、
羽化不全に近いのでそのおかげでまともに色が乗っていないせいだとずっと思っていた

しかしこの年に発売したKuwata特別版4にニジイロクワガタの色彩変異についての記事があり
どうも温度が関係しているようだとある
これが正しいかどうかはまだ確実ではないが そうすると親が黒いものを得たとしてもそれは遺伝に
よるものではないとして羽化してくるのは普通の色ということになるのか?
これだけ人気があって飼育者も多いのにこれまで温度に関しての報告がなかったのはちょっと
意外という気がする
得られた幼虫は少なかったが 丈夫な種類なので何とかなるだろう・・
発酵マットで当初600mlの広口ガラス瓶で飼育
その後 一回餌替えのあと幼虫の大きさから タッパーウェアの長方形立方のものに移し変える
2齢 割り出しから半年経った7月になって漸く・・・
2005/7/17 前蛹の様子


この大きさの蛹室に対してこのタッパーの
大きさ勿体無い・・

やっぱKUWATAにあったように折を見て
こまめにマット交換で200mlカップでいいのかな?


2005/7/23 無事に蛹化 →
今回もまたこのアゴの大きさかよ・・・
成長中の幼虫の大きさの期待を込めて
大きい容積にしたのになあ・・ やっぱ菌糸か?
← 2005/7/31の♀の蛹の様子
なんか色が黒っぽくて腐りかけの蛹みたいだけど
これで順調に色づいてきている状態

2005/8/17 夜に♂が羽化していた
蛹ではアゴは短いかと思っていたが
前足でアゴを伸ばしきると なかなか立派な
長さになってました

あとは固まってから大きさを計るか

上の画像の♀ 2005/8/20の様子
蛹室に個体が見えないので
830mlカップをごそっと逆さにして出してみた・

死んでんのかと思ったが 穿ると出てきた→

羽化して時間経ってないのでなんで蛹室の中で
留まってない? 動かしすぎか?

2005/11/17 何故かせっかくの大歯形♂が死亡 ゼリーは減らないまま カビが生えている

季節柄 温室で管理していたが乾燥したマットのままで霧吹きもかけなかったがそのせいか?・・

勉強には痛い経験だった・・

でこの唯一の♂が死んじゃったので 新たに飼育するために幼虫を物色 ワイルドでは入荷しないしね

でブラック系統の幼虫てのをビッダーズで見かけて購入してみることに・
♂♀ともにブラック系統ってのは ♂はブラック、♀は通常の色系統って幼虫を入手
それほど高額にはならなかったが 色彩変異が遺伝によるものなら この中のどれかに色調の変化が
あるものが羽化してくるかな?
今回は菌糸瓶で飼育することにする
2005/11なので高温でマットが劣化することは
ないだろうしね
あとはそのまま放置
この一本で羽化までいけるだろうと構えていたが・

2006/3/12→
これってどうだろうね・・ 菌糸の白いところは
食い尽くされているが これが全部糞って
わけでもないし・・
様子を見てみるか・ 噛み砕いているだけなら
堅く詰めなおせば羽化まで持たせるかも?
とにかく 夜になると蓋か壁をガリガリと五月蝿い

とりあえず出してみたが無事に3齢となっているが
ちょっと太り足りないぞ?

マットはこんな感じ→
噛み砕かれているだけで 堅く詰めなおせば
十分えさとして使えると思う

しかし蛹室を作るわけでもなく
ガジガジと五月蝿く齧ることは何か問題があると
思われるのでより容積が大きい
1.5Lのブロー容器に入れ替えて
発酵マットも加えて詰めなおす
全部が幼虫ではなく 数頭はすでに
蛹化体制もしくは蛹化していた
しかしppボトルはガラスと違ってはっきり見えん
♂か?♀か?
他のもさっさと蛹室を作り始めていれば
一々入れ替える手間もなくて
成虫までいけたのに・・
でもこんないけるトコまで古いマットで
ひっぱる飼育してるからこれまで大歯形が
羽化してこなかったんだろうね・・
1.5Lにいれた個体はちゃんと大歯形で
羽化して欲しい  2005の大歯形は活動前に
死んだので撮影できてないし・
←上の画像の個体の2006/5/16の状態
無事に羽化
ブラック系統ということでBLA-4というナンバーを
つけていて色づくのを楽しみにしていたのだが・・
結局 翅が固まると「極々普通のニジイロ」・・
実際にブラックタイプの親を
飼育して得た幼虫でないので出品者を
信用するしかないが やっぱ遺伝以外の要因が
あるのかな?

2006/5/29にはブロー容器に移したものも蛹化
この状態では大歯形かとうか分かりにくいな
6-7月にかけて 次々に羽化ところが
全くの期待はずれ・・ 全部フツーやんけ・